アパートへの入居者も得できる各戸連系とは
各戸連系とは、アパートの屋根や共有スペースに設置したソーラーパネルを各入居者の部屋に接続して、ソーラーパネルで発電した電気を入居者が自由に利用できるようにする方式です。パワーコンディショナを各部屋に設置する必要がありますし、アパート内の電力配線が複雑になるため、設備導入時に必要なコストは高くなりますが、発電した電気を活用して入居者が電気代を節約したり、余った電気を電力事業者に販売することができますので、付加価値付き物件として賃貸市場に出すことが可能です。発電された電気は基本的に入居者のものになりますので、アパートオーナーへの費用面での直接的なメリットはほとんどありませんが、付加価値による他物件との差別化が可能となり、空室率が低くなる傾向がありますので空室対策には効果的です。
ただし、設置したソーラーパネル面積を戸数全数で分割することになりますので、1戸の辺りの発電出力はどうしても小さくなってしまいます。そのため、「『発電された電気を活用することで得られる電気代の節約効果や売電収入』という付加価値による空室率の低減効果」が「設備導入のコスト」に見合っているかどうかを事前に検討しておくことが必要になります。