買取価格はずっと変わらない?
平成24年7月から始まった固定買取制度を制度を活用すると、太陽光発電や風力発電で発電した電気は非常に高い買取価格で電力事業者に売却することが可能です。
ですが、この電力事業者の買取価格はずっと変わらないわけでありません。電気の買取価格は経済産業省内の機関である調達価格等算定委員会の意見によって年度ごとに見直しが行われているのです。
例えば、10kW以上の太陽光発電設備を導入したケースを想定してみます。平成24年度に電力供給が開始された場合には、1kWhあたりの買取価格は42円が適用されますが、1年後の平成25年度に電力供給が開始された場合、1kWhあたりの買取価格は37.8円が適用されます。
ここで、日本よりも先に固定買取制度を導入したドイツの事例を見てみます。電気の買取価格を高く設定したことで、収益性が高いとして事業投資の対象となり、太陽光発電や風力発電の発電量は短期間で急激に増加しました。ですが、一般需要家が負担しなければならない賦課金も急激に上昇し、更に系統を安定化させるための設備投資が電力事業者にとって大きな負担となりました。その結果、買取価格が急激に低下し、固定買取制度自体の廃止も提案されています。
日本でも今後、ドイツと同様の道を辿る可能性がありますので注意が必要です。